山形旅行

 出発
 時・・・・・・08/09/15~17
 ツアー・・・ミステリーツアー・2泊3日

 旅行案内の行程表は黒枠が多く、何処へ行くのか分からない仕組みになっている。暗号文のような予定表を見て、東北、山形方面の見当はついていたが、ミステリアスな出発になった。まー、何処でも良いさ、日本料理の「おまかせ」の気分で添乗員の指示に従った。羽田を離陸したジェットは、離陸直後に少し揺れたが、順調に飛んだ。山形は良く晴れていて、幸先の良い旅を約束してくれた。

 酢川温泉神社・川柳坂

 山形空港から約1時間、蔵王温泉に到着した。食事までの時間を利用して近辺を散策した。酢川温泉(昔の名前)神社の参道石段脇に建つ灯籠には、何故か川柳が書き込まれている。「硫黄泉 入ってわかった 肌のつや」 「千の風 きいてる妻は ハリケーン」 神様と川柳のとりあわせが何とも不思議で、これもミステリーツアーに一役かっているのかも知れない。
 

 上杉神社

 日本史で一番華やかに多くの英雄が出現した時代。今から、約450年ほど前。越後の国の戦国武将である上杉謙信を祀ってある神社に案内された。戦国時代を疾風のように駆け抜けた合戦の天才児。甲斐の武田信玄との名勝負は、広く後世に伝えられている。
 

上杉鷹山

上杉家第十代の藩主、鷹山公は、崩壊寸前の藩を復興させた江戸時代随一の名君として知られている。鷹山公が家臣に示した和歌で、「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」の言葉は、現在の偉い政治家の先生方に、もう一度読み返して貰いたい名言である。天明の飢饉で多くの領民を救った備蓄米の配布は、あまりにも有名である。
 

ぶどう狩り

 高橋フルーツランドという果樹園でぶどう狩りを楽しんだ。ぶどう棚に数え切れないくらいのアレキサンダーが垂れ下がっている。「陽当たりの良いぶどうは黄色味を帯びています、甘くて美味しいですよ、それを選んで一杯食べて下さい」何とも嬉しい歓迎をうけた。俺は2房食ったら腹一杯になった。埼玉から来た男性は4房食ってまた採りに行った。食べるの早いですねと言ったら、彼が答えた。「私はね、皆さんのように種なんか出しませんよ、種は後払いです」成るほど早いわけだ。種は後払いか。

 

  

フラワーパーク 花夢花夢(カムカム)

 昼食を兼ねて、フラワーパークに遊ぶ。見事に整備された花園が、夢の世界を作っている。昼食は山形名物の芋煮。米沢牛の濃厚な味と、里芋の淡泊な食感、トロミのある熱々の汁に舌鼓を打つ。ご飯も最高に美味しい。日本人は農耕民族だ、芋煮が最高だ。俺も芋だ。

  

 国宝羽黒山五重塔

 羽黒山杉並木随神門より本殿までの登りは、約1時間。時間的にも体力的にも到底無理なので、徒歩5分~10分程度の時間で見られる国宝五重塔を拝観する。説明によると、1050年前に平将門によって建立されたと伝えられている。高さは八丈(24m余)東北地方最古、最優秀の塔で、重要文化財として、昭和41年3月、国宝に指定されている。永遠に伝え残したい日本文化の粋。
 

 羽黒山の爺スギ

 

案内板によると、樹齢は1000年以上で、根元周囲11m50㎝、目通り周囲8m30㎝、樹高48m30㎝あり、山内随一の巨木として、天然記念物に指定されている。ツアー客の一人が、「爺スギがあるなら、婆スギもあるのか」の質問に、ガイドさんの答えは、「もう枯れてしまい、切り株が残っているあの木だと言う説がある」と説明していた。「爺さまだけが残った杉の木は、気ままに長生きするでしょうね」と人の世への謎かけのようなことも言っていた。・・・人間は婆さまのほうが元気で長生きするんだがな。

 

日本海湯の浜海岸

 ミステリーツアーの魅力は、行き先が常に不明で、その意外性に新鮮な驚きがあるからだろう。山また山の道路を走ってきた観光バスが、いきなり広々とした海岸に停車した。「皆さん、日本海ですよ、目を覚まして下さい」ガイドさんの説明を子守歌にして眠り続けていたツアー客が、一斉に歓声をあげた。目の前に広がる美しい砂浜と、日本海は、夕日百選のうちに入る景勝地として人気があるらしい。冬の日本海は冷たい季節風にさらされ、波の花が飛ぶ荒々しい姿を見せるが、目の前の海は、室内プールのように静かで、何処までも泳いで行けそうだ。残念ながら美しい夕日を見ることは出来なかったが、いつの日か一泊してみたい場所である。

 蔵王

 日本有数のスキー場として、また、幻想的な樹氷の美しさで知られる蔵王は、冬以外の季節でも、ここを訪れる人達を素晴らしいロケーションで迎えてくれる。スキーのために設置されたロープウエイで山に登り、限られた自由時間内で爽やかな山歩きを楽しんだ。

 エゾオヤマリンドウ

 

山で最も花が賑わうのが、6月から7月頃、9月に入ると残念ながらあまり咲いていない。良く整備された散策路の路肩に、紫色の鮮やかなリンドウが数多く咲き誇り、我々を迎えてくれた。青くどこまでも高い空。深い山に密生する樹木で浄化された澄み切った空気。自分たちの足音だけが聞こえる静けさ。
まさに天国の散歩道だ。

いろは沼

 

 案内標識に従って歩き、いろは沼に着いた。天国の神様が落とした涙ほどの小さな沼だが、標高1400mの沼に吹く風が、汗ばんだ体に何よりの出迎えご馳走だ。沼の木道を歩きながら、今を、この時間を、限りなく大切に感じた。

 
  蔵王地蔵尊

 
 

 このお地蔵様は、安永4年8月(1775年)に建てられたものです。その昔、麓の東沢村の庄屋に、跡継ぎが幼くして没し、育たなかったことから、男子の長命を祈願して建てられたものと伝えられる。この蔵王の山は、とても険しい山で遭難者が絶えなかったが、ここにお地蔵様を祀られてから、不思議と遭難者が少なくなったと伝えられる。

 
 蔵王自然植物園

 標高1600m、三宝荒神山に見られる高山植物の自然公園。緩やかな山道を登りながら観察すると、厳しい冬期の風雪に耐えて活きている健気な姿に感動する。

 

 三宝荒神山頂より

 紺碧の青空を指さすように誇らしく建つ頂上の塔に、標高1703mと記入されている。山頂から見渡せるパノラマの景観は何ものにも勝る。本格的な登山と違い、ロープウエイで上がって来たことが何とも後ろめたい。大きなリュックを背負い、麓から汗を流して登って来たら、頂上は、この何倍もの感動を与えてくれただろう。若い頃の山歩きを思い出した一時だった。
 
 
 

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